「世界の中央銀行が金を買っている」と聞きます。金は、持っているだけでは利息を生みません。それでも、なぜ国の蓄えに入れるのでしょうか。今回は、その理由を整理します。
中央銀行は、日本銀行のように、お金を発行したり金融政策を担ったりする銀行です。国や中央銀行は、外国のお金や金などを、いざというときの蓄えとして保有しています。これを外貨準備といいます。
①一つの通貨に頼りすぎないため
蓄えをすべて同じ通貨で持っていると、その通貨の価値が大きく下がったときに影響が集中します。
そこで、ドルなどの通貨だけでなく、金も持っておくという考え方があります。同じ理由で全部が値下がりすることを避けるために、持つものを分けるのですね。
②誰かの返済の約束に頼るものではないため
国債は、国がお金を返す約束です。預金も、銀行が払い戻すことが前提になっています。
金そのものは、国や会社が「あとでお金を返します」と約束して発行するものではありません。そのため、発行した相手が返済できなくなる、という形の心配がありません。
ただし、金の値段が下がらないという意味ではありません。保管や売買にも費用や制約があります。
③不安なときの備えとして持つため
戦争や金融への不安が強まると、通貨や金融資産だけに蓄えを置いてよいのか、と考える国もあります。金は、そうした不安への備えとして評価されることがあります。

世界金協会の中央銀行調査でも、蓄えの分散や、危機のときの働きなどが、金を持つ理由に挙がっています。
中央銀行が買っているなら、値上がりする?
買う動きは金の需要を支えますが、それだけで、これからの値上がりが決まるわけではありません。金利や為替、ほかの人の売買も値段に影響します。
また、すべての中央銀行が、同じように買い続けるわけでもありません。世界金協会によると、2026年上半期は、中央銀行などの買った量から売った量を引くと345トンの買い越しでしたが、売却した国もありました。
中央銀行は、国の蓄えを管理する目的で金を持っています。個人と目的や使う時期が同じとは限らないため、「中央銀行が買っているから、自分も買えばよい」とは言えません。
ひとことまとめ
中央銀行が金を持つのは、利息を得るためだけでなく、蓄えを分け、不安に備える役割もあるから。
「なぜ持つのか」と「これから値上がりするか」は、分けて考えておこうと思います。
参考:世界金協会「中央銀行」(2024年第2四半期・保有理由の調査) / 世界金協会「中央銀行」(2026年第2四半期・2026年7月30日公表)
※勉強したことのメモです。投資や借り入れをおすすめするものではありません。


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