【お金の勉強ノート⑯】円だけを見ても分からない。為替は、2つの通貨の「くらべ合い」

世界のさまざまな国の硬貨 投資

ニュースで「円安になった」と聞くことがあります。
例えば、1ドル=150円から160円になれば、ドルに対して円安になったということです。

では、ユーロなど、ほかの国のお金に対しても円安になっているのでしょうか。
今回は、円を比べる相手によって、円高・円安がどう変わるのかを考えてみます。

為替レートは、円とドルなど、二つの通貨を交換するときの比率です。

ドルに対して円安でも、ほかの通貨には円高かもしれない

冒頭のドルの例に、同じ時期のユーロの動きも加えて比べてみます。実際の相場ではなく、説明のための例です。

  • 1ドル=150円 → 160円:1ドルに必要な円が増えたので、ドルに対して円安。
  • 1ユーロ=170円 → 165円:1ユーロに必要な円が減ったので、ユーロに対して円高。

同じ時期でも、比べる相手が違えば、円安と円高が両方起こることがあります。

「円安」と聞いたときは、何と比べて円が安くなったのかを確認することが大切です。

日本だけが、原因とは限らない

日本に大きな変化がなくても、アメリカの金利への見方が変わり、ドルを持ちたい人が増えれば、円に対してドルが上がることがあります。

これは、ドルから見るとドル高、円から見ると円安です。「円安に見えるだけ」ではなく、実際にドルに対して円が安くなっています。

ただし、ドル円だけでは、日本側の事情とアメリカ側の事情の、どちらが強く影響したのかまでは分かりません。両方が同時に動くこともあります。

いろいろな通貨と、まとめて比べる数字もある

円をドルだけでなく、いろいろな通貨とまとめて比べる指標が「実効為替レート」です。

円が、ドル・ユーロ・ほかの通貨と比べられ、相手しだいで見え方が変わることを示した図解

単純に同じ割合で平均するのではなく、貿易のつながりなどに応じて、それぞれの通貨の重みを変えています。

さらに、国ごとの物価の動きも考慮したものを「実質実効為替レート」といいます。

日本銀行の解説では、これらは、二つの通貨の比較だけでは捉えられない、総合的な為替の変化を見るための指標とされています。国全体の豊かさや生活水準を、そのまま測る数字ではありません。

旅行でも、行く先によって違う

アメリカへ行くなら円とドル、ユーロを使う国へ行くなら円とユーロが関係します。円安のニュースだけでは、どの旅行先でも同じだけ割高になるとは言えません。

もちろん、旅行先そのものの物価や、航空券、ホテル代も関係します。為替と現地の値段を合わせて考える必要があります。

ひとことまとめ

円の動きを知るには、まず「何と比べているのか」を確認する。ドルに対して円安になったからといって、ほかの通貨に対しても円安とは限らない。

一つの数字だけでは見えないことがある、と覚えておこうと思います。

参考:日本銀行「実効為替レート(名目・実質)」(2026年4月の解説) / 野村アセットマネジメント「為替とは? 為替の変動要因」

※勉強したことのメモです。投資や借り入れをおすすめするものではありません。

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